【MIA フィジカルへの道 2011/10/08 No.3】「Physical examinationのcalibration(キャリブレーション)?-3」
■目次■
◆フィジカルへの道(その3)
Physical examinationのcalibration(キャリブレーション)?-3
■フィジカルへの道(その3)■
□◆Physical examinationのcalibration(キャリブレーション)?-3□◆
吉川名人のphysical examination回診。技を極めるとこうなります。
研修医:肺塞栓の患者さんです。
吉川:(傍胸骨拍動を触知しながら)右室圧なんぼ?
研修医:70mmHgです。
吉川:そんなにないやろ、あっても50mmHgや。エコーいつやった?
研修医:(ドキッ)2週間前です。
吉川:先生も忙しいからなー。今はかなり下がってるで。
すまんけどまたエコーしといてな。
研修医:はい(うなだれる)。
吉川先生は傍胸骨拍動で右室圧を推定するのですが、回診のときに
右室圧を聞きます。これは自分の傍胸骨拍動のcalibrationをとって
いたのです。研修医、フェローは回診の前に受け持ち患者のエコーを
しておいて回診に備えますが、毎週全員のエコーをするのは事実上
不可能です。ですから自分なりに必要だと思う患者のエコーをして
おくわけですが、ときとして『ヤマ』が外れて同僚や患者さんの前で
恥をかいてしまいます。
もっとも患者さんの方では同室の患者さんで同じような光景を見て
いますからかえって主治医を慰めてくれます。『先生も元気出して
頑張ってな』。患者が医者を育てるのですね。我々にとっては毎週の
部長回診は大変勉強になる、そして一方いつ地雷を踏むかわからない
恐怖の時でもあったのです。
このようにphysical examinationのcalibrationは常に心エコーを
はじめとする他の診断所見と比較して自分の中に作っておく必要が
あるわけです。そして鍛えると、スタンダードとされる診断法を
凌駕することすらあるのです。
だからphysical examinationはやめられない、ですね。





